恋に落ちて

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久し振りにドキドキした。
懐かしいドキドキ。
この懐かしい感覚、どうしたのだろう。
例えるならば、恋。
そう、恋に落ちるなんて簡単なこと。
あっという間に、落ちる。
特に何があったという訳ではない。
久し振りに以前から気に入っていた珈琲屋さんに行き、寛いだ時間を過ごしただけ。
其処にいる人は以前と変わらない。
きちんと挨拶を交わせるほどの常連ではなかったから、個人的なことは一切知らない。
バックグラウンドは何も知らない。
名前さえも。
でも今日はドキドキした。
何も話していないのに。
何故?
簡単。
私は彼の手にドキドキした。
珈琲豆を選別する手、ブレンドする手、珈琲を淹れる手、差し出す手、カップを取るその手に。
こんなに綺麗な手、昔はどうして気付かなかったのだろう。
こんなに美しい手に。
カウンター越しにその手はきびきびと働いて、高すぎないその声まで心地良く聞こえるから不思議だ。
恋に落ちて。
きっとこんな簡単なことから始まる恋もある。
ある日の、たった1時間。
ただそれだけの時間、感じたちょっとした幸せ。
懐かしい記憶。
心拍数。
温度。
心。
一瞬の、恋。



饒舌に語る口よりも言葉少ななその声が愛おしくて何よりも私の心に響くのです


施基
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by shiki_cappa_m | 2008-03-15 00:00 | 誰かへ


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