私の糸玉は何になりたい?

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『血の婚礼』
連休2日目は芝居を観ました。
数人の友人たちと、劇場前で待合せ。

「真っ赤な糸玉、真っ赤な糸玉、お前は何になりたいの…」
冒頭から印象的な音楽。
耳に残る歌声。
砂の舞う不思議な風景。
荒涼とした大地に似合う血の色は赤ではなくもっと深い色。
ぎらぎらとした情熱は決して美しいだけではなく危うさを誰もが秘めている。
呪縛を受容れてしまったのは母親。
望まざるも呪縛となってしまったのは花婿。
幾重にも絡まった糸を解ききれずに花嫁を奪ったレオナルド。
その妻は悲しみも憎しみもすべてを抱えてその手で幼子を抱く。
美しい花嫁はその時何を思ったのだろう。
荒れた大地を踏みしめて生きていくアンダルシアの民。
悲しみも憎しみも大地に還り、それは巡る。


良い時間を過ごせました。
女優陣の歌声の見事なこと、踊りながら絡み付く視線の妙。
終始奏でられていた25弦の筝の音。
芝居の中に於ける音楽の重要性、改めて感じました。
舞い上がる砂に、此処は異空間であり、スペインの景色を思い起こさせる一つのアイテムでもあり、ステージを創り上げる独創性を目にした気がします。
激しく危うく猛々しいレオナルドを演じた小谷真一さん、舞台から降りるととても笑顔の素敵な好青年です。
役者さんって、本当に、顔を幾つも持っている。
そしていつも礼儀正しく気持ちの良い俳優さん。
また観に行きたくなるのは、彼の人間性もあるのでしょうね。

今週末で千秋楽。
あと数日。
飾られない大地のスペインの風、横浜で感じていられるのもあと僅か。

t.p.t『血の婚礼』




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帯はそのまま、銘仙に。
「お着物、いつも楽しみなんです」
なんて言われると、本当に調子に乗っちゃいますから(笑)。



醒めて
どうか
今すぐに
砂が崩れてしまう前に
私が此処にいられるうちに
太陽が
真上に輝く前に


施基
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by shiki_cappa_m | 2009-10-15 00:00 | 観ること


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